新幹線の鮮魚列車化は可能か?

新幹線に鮮魚を乗せてスピーディーに運ぶ、という面白いニュースがありました。

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新幹線の鮮魚列車化は可能か?

活きのいい海産物をできる限り早く送るために新幹線を使う、という実証実験が開始されました。

獲れたて鮮魚を東京へ、新幹線物流に挑むJR東グループ
JR東日本グループが新幹線を使って魚介類を産地から首都圏の店舗に輸送する実証実験を始めた。スピーディーな移動手段で、魚介を従来よりも新鮮な状態で食卓に届けることが目的。モーダルシフトなどを背景に新幹線物流に注目が集まる中、実用化はなるか。

JR東日本の子会社、JR東日本スタートアップや水産物の卸や小売りを手掛けるベンチャー企業、フーディソンなどは11日、新幹線などを使って魚介類を産地から首都圏へスピーディーに届ける実証実験を始めた。

新幹線で鮮魚を運ぶ・・・面白いですね。テストでは車内販売スタッフ用の控室を倉庫代わりに少量のエビを運んだそうですが、やはり大量に運べるようになると、環境負荷その他考えてもメリットは大きそう。
新幹線の鮮魚列車化ですね・・・。

近鉄の鮮魚列車

近鉄には鮮魚列車という編成が走っています。普通の電車なのですが中はでっかいクーラーボックスやコンテナを持った漁港の方が乗る、という電車です。

こんな感じで電車で運ぶメリットってあるんですね。

新幹線の鮮魚列車化

さて、今回の実証実験から想像を膨らませると・・・新幹線の鮮魚列車化は可能かどうかを考えてみます。

問題点1.スペース

記事の中にも今回の実証実験を大規模化する上での問題点が出ています。

だが、そのハードルは格段に高い。理由の1つは新幹線に魚介類を積み込むスペースが現状では少ないことだ。実験では車内販売のスタッフらが控室として使用する広さ1畳ほどのスペースを活用して積載した。今回は輸送したのが甘エビ6kgほどにすぎなかったため、このわずかなスペースでも事足りたが、多くの商品や大型魚は収まりそうもない。

確かにスペースの問題はありますね。実験はエビ6キロだけ、ということなのでどうにとでもなりますが、もっと大きな魚も、もっとたくさんの魚も難しそうです。

想像をたくましくすると、もういっそ専用車両を作ってしまえば問題は解決しそうですね。とはいえ、編成の途中に鮮魚満載の車両があると、みんな行き来できなくなってしまいます。そうすると先頭または最後尾の車両になります。その車両の客室部分を全部倉庫化すると・・・容量アップしますね。

問題点2.積み下ろし

こちらはなかなか根が深い問題です。

もう1つは積み込みや荷下ろしに要する時間だ。過密かつ正確なダイヤで運行されている新幹線は、途中駅での停車時間が短いし、折り返し駅では旅客を乗せるまでのわずかな時間に座席の転回や清掃、忘れ物のチェックなどの作業を詰め込んでいる。「あまり多くのものを乗せてしまうと荷物の搬入や搬出に時間を要してしまい、利用者に迷惑が掛かってしまう」(JR東担当者)

新幹線、特に東海道新幹線ののぞみなどは結構な感覚で運行されていて、すごいスピードで車内清掃してたりします。その傍らで魚を傷めないように積載する・・・というのはちょっと難易度高そうですね。

もし専用車両ができれば、ドア部分を積み下ろししやすい形にする、などの対応は取れそうですが・・・ドア1つ変えるのにもテストを繰り返さないと耐久性の実証が難しそうですね。

問題点3.騒音・振動

積み下ろしの時間等々考えると、一般乗客が乗る時間帯に並行して鮮魚を運ぶのも大変そうです。すると考えられるのは一般向けに運航していない深夜や早朝での運航。もうこうなってくると完全に鮮魚列車ですが・・・。

ただ超高速で運行している新幹線なので、深夜早朝に騒音問題が起きないかどうか、が別途気になります。新幹線の騒音問題について調べてみました。

一応東北・上越・山陽新幹線は環境省の設定する沿線の騒音レベル、75デジベル以下を達成しているそうです。東海道新幹線も達成済み。

東北・上越・山陽新幹線に係る新幹線鉄道騒音の75デシベル対策達成状況等について
環境省のホームページです。環境省の政策、報道発表、審議会、所管法令、環境白書、各種手続などの情報を掲載しています。

ところが・・・75デジベル以下、というと工事現場の騒音規制と同じなんですね。夜中に工事をやらないように、この基準だと夜中に鮮魚新幹線を走らせるのは周辺住民的にはNGな感じです。

実際に既に沿線に住んでいる人のクチコミもありました。

【口コミ掲示板】新幹線沿いの土地ってどうですか?|e戸建て
「新幹線沿いの土地ってどうですか?」の掲示板。日本最大級の注文住宅・一戸建て口コミ掲示板で口コミ・評判をチェック。注文住宅・建売戸建て購入経験者の投稿が満載。

クチコミを見ると・・・新幹線沿線は結構騒音・振動問題はシビアな模様。

東海道新幹線によく乗りますが、車内から見える場所にたくさん住居はならんでいます。よほど音が酷いとあんなに人が住むことはないと思いますので、想像よりは良いのではないでしょうか。

これが一般的な人の感想だと思いますが・・・

我が家は、東海道新幹線から30mほど離れていますが、騒音・振動ともに最悪。今から30数年前に新幹線沿いの現在地に木造2階建を新築しました。当時は、車両走行時にテレビ画面の乱れ(今は受信機の性能がアップしたためか画面の乱れはまったくありませんが…)を感じる程度でした。しかしその後、スピードアップが原因か、特に、「のぞみ」や「ひかり」の通過時は、騒音・振動ともに最悪です。「新幹線に家を壊されしまう!」など家族で愚痴をこぼし合っている状況です。打ち付けた釘などは、場所によっては長年の振動で、浮き上がってしまいます。

振動で釘が浮き上がる・・・!

音ですが、頻繁に通過する時間帯は、ちょっと気になります。窓を開けていると、テレビの音は聞こえなくなります。
一瞬ですが、ニュースなど、聞きたい情報の時に通過されると迷惑です。

あと、他の方の投稿にあるように、夜中の整備作業はうるさくてたまりません。また、オレンジ色の光を放って作業していて、かなり不気味です。

やはり騒音・振動は結構問題なんですね・・・。また夜中は整備をやってるのか・・・。

とまぁ、色々見てみましたが、なかなか新幹線の鮮魚列車化は難しそうですね。

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