Apple HomePodは結局Amazon Echoに勝てない気がする件

シェアする

WWDCで華々しくデビューしたアップルの新ホームガジェット、HomePad。世間的には「Appleすげー!」の声が特にガジェットメディア含めて大勢のようですが、結局Amazon Echoには勝てないんじゃないかなぁ、と思いました。

HomePodがAmazon Echoに勝てない訳

大好評のApple新ガジェット、HomePod。Twitterでも欲しい!の声が散見されます。

まぁアップルの製品だけに概ね好評ですね。既に先行でAmazon、Googleもこういったホームデバイスを出していますので、これでAppleが出揃ったことで概ねネットのビッグ3が全てコンシューマーの自宅に牙城を築く準備は出来たわけです。

ホームデバイスの椅子は各家庭に1個

昔から事業者にすれば消費者の自宅や財布に直結した収益スキーム、というのは夢なわけで、今回のホームデバイス戦争はIT関連で言えば最後の砦というか、ここに根を張ることができれば将来安泰、くらいの話だと思います。さて、ざっくりですがAmazon/Google/Appleの3社が出しているガジェットの分類表を見てみます。

Amazon Echo Google Home Apple HomePod
価格 $179.99 $109.00 $349.00
日本円($1=110円) ¥19,799 ¥11,990 ¥38,390
オーディオ
音楽サービス Prime Music GooglePlay Music Apple Music
音声認識 Alexa Google音声入力 Siri
アカウント Amazon Google Apple ID
EC ×

この3つのデバイス、基本的には「音声入力・認識で」「色々できちゃうスピーカー」という体裁を取っていると思います。AppleのHomePodはそのスピーカー、音楽再生のところは3つの中で最強っぽいのですが、いくらキレイに音楽を再生したところでなかなか収益には結びつきません。また消費者側からしても「いい音で音楽を聞ける」体験は重要であっても、それがイコール「めっちゃ便利!」になるかというと、またちょっと・・・。となると、「便利さ」の経験で言えば、ECが強くて「家にいながらにして喋るだけでモノが届きます」のAmazonか、ガジェットの「Home」のみならずスマート家電的な領域にいち早く突っ込んでいるGoogle Homeか、どちらかの「便利」体験の方が強烈だと思います。

「便利さ」の裏側は「無いと不便」

ホームガジェットは「便利」じゃなければ買う理由はそんなに大きくないと思われます。なぜなら既にスマホがその領域を満たしているから。「家にいながらにして買い物」「スマート家電のコントロール」「音楽を自由に聞ける」、全てスマホで既に一定量可能です。iPhoneなんかは10万前後、PCと変わらない価格なので、その価格を押してでも買う、というだけの「便利さ」があって今の普及率は実現しています。

ホームガジェットはそれ以上の「便利さ」、一旦使い出すとなくなると困る、無い生活は考えられない、という位でなければ普及しないと思われます。タブレットがちょうどいい例ですよね。
あれば便利ですが、スマホの画面サイズで我慢できるならわざわざお金を払う必要がない、というバランスでそれほど普及率は高くありません。ホームガジェットも中途半端な便利さだとこれと同じになるでしょう。

そしてざざっと見る中で考えると・・・どう考えてもAmazon Echoの便利さに勝てるホームガジェットが無い気がします。GoogleもAppleもスゴイ企業ではありますが、EC、流通については弱小もいいところです。Googleはまだショッピング検索があるので、世の中のECサイトを束ねられる可能性がゼロではないですが、AppleのECといえば自社製品のみ。製品が強いからApple Storeのアプリが存在できますが、Apple Storeで毎日買い物をする人は皆無です。

「わざわざスマホを使わなくても買い物ができる」という体験を既にAmazonはDashボタンで実現していますが、それを広範囲に拡大できるのがAmazon Echo。要は買い物までしてくれる召使が家にいるようなものなのでこの体験に勝るものは今のところなかなか見当たらないでしょう。強いて言えばHomePodは音楽に特化してその領域だけ担当する、という考え方がかろうじてできるくらいかなぁ・・・?

この記事が気に入ったら
いいね!お願いします

シェアする

フォローする