世界中で使える「AirSim(エアシム)」の接続設定方法。

SIMを差し替えること無く世界100ヶ国以上で利用可能なデータ通信SIMカード、AIRSIM（エアシム）が届いたので、まずは試しに日本で使ってみました。

AIRSIM(エアシム)の接続設定はちょっとだけコツが必要

これまで海外でスマホを使う方法と言えば、キャリアのローミングプランを使うか、空港でWiFiルータを借りるか、でしたが、最近では空港到着時に現地キャリアのSIMを購入して手軽に利用できるようになりました。場所によってはコスパもよく便利なのですが、何カ国も移動していると頻繁にSIMを差し替えたり、またデータ通信容量の追加、トップアップをするために、各国キャリアのSIMカード用アプリがスマホに入ることになったり・・と結構煩雑です。

いっそのこと世界どこでも使えるSIMカードがあれば・・・という願いを、ある程度まで実現してくれるSIMがAIRSIM（エアシム）です。
1枚のSIMがカードで世界100ヶ国以上のキャリアに対応しています。クラウドSIM、eSIMというやつですね。

このAIRSIMをAmazonで入手したので日本でまず接続設定して使ってみることにしました。

AIRSIMアプリの設定

AIRSIMは香港の会社だそうで香港国際空港などで入手できるようですが、日本でも購入可能です。

この2つAIRSIMの違いですが、AIRSIMに最初から10米ドルのチャージが入っているか、それともノーチャージかです。
AIRSIMのカード自体が500円だと考えると今のドル円レート110円前後で考えると10米ドル残高有りのほうが有利です。僕もこちらを購入しました。

Amazonで購入すると普通郵便の封筒で送られてくるので受け取りは楽ちんです。
また業者から日本語説明書のPDFもメールと封入されたQRコードで提供されますので、英語が苦手でも一応安心。
といってもそんなに難しい内容ではなかったですが。

開封するとこんなカードが入っています。通常のSIM、micro-SIM、nano-SIMどれでも適合可能。要はどこでカードから切り取るか、でサイズが決まります。

カード裏面には登録に必要なIDやパスコードがステッカーで貼られています。これは登録完了までなくさないようにしましょう。
(追記：機種変更の際にも必要になります。なので大切に保管しておくか、最低限スマホで撮影して保存してください。）

アプリインストールを先に済ませよう

AIRSIMのカードが手元に届いたらまずはアプリのインストールを済ませましょう。SIMカードの登録やデポジットのチャージ、国ごとの通信プランの購入やトップアップもすべてアプリから行います。

説明書にも書いてあるのですがよく似たアイコンの「AIR TALK」と間違えないように注意です。こちらは通話プラン用のアプリとのこと。「AIRSIM」とだけ書かれたアイコンのアプリをダウンロードします。

まずはAIRSIMのSIMカード登録から

ここからは自宅のWi-Fiなどでの接続で作業してください。SIMカードを使うための登録作業なので当然AIRSIMからの通信は使えません。
AIRSIMがデュアルトレイになっていて2枚使える場合は普段用のSIMの通信でも可能だと思いますが、ここからのAIRSIMのアクティベートの作業を考えるとと工事の現地空港でのセットアップは全然おすすめ出来ません。万が一空港セットアップになった場合は空港のWi-Fi接続を確保してみてください。

まずSIMトレイにAIRSIMを挿入します。そしてアプリを起動します。
するとICCID登録の入力欄が出ます。ここにAIRSIMのカード裏面にあるICCIDの番号を入力します。

次にAIRSIMのSIMカードを有効化するために必要な情報等を入力します。
「Activation Code」はSIMカード裏面のActivation Codeと書かれた4桁の数字を、Emailは登録用の自分のメールアドレスを、Countryは「81 日本」のまま、Contactには自分の電話番号を入力します。

すべて入力完了するとこのような形で登録完了のメッセージが表示されます。これで挿入したAIRSIMのアクティベートとアプリとの連携が完了しました。

しかしまだこの時点ではAIRSIMでの通信は出来ませんので注意してください。

AIRSIMの世界各地のキャリアの通信プランを購入する

世界各国で使えるAIRSIMですが、実際に通信をするためにはそれぞれ各地のローミングプランを購入する必要があります。今回は日本国内での通信プランを1日（24時間）だけ買ってみました。

AIRSIMの登録が完了するとアプリのホーム画面がこういう表示になります。

上部にアカウント番号や有効期限、現在入っているデポジットの金額が記載されています。
10米ドルパッケージなので「Balance: US$10.00」とありますね。

一度中央6分割パネルの「Valid Package」をタップしてみます。

こういった画面になると思いますが、実際に利用可能な通信プランが有るときは「Valid Package」の欄に利用可能な通信プランが表示されます。現在は未購入なので表示がありません。なのでまずは通信プランの購入をします。

ホーム画面に戻って画面下部メニューから「Buy」を選択すると国旗と料金のリストが出てきます。日本だと2.24米ドル/日から、つまり300円弱で利用可能ですね。

上の「Combo」と「Voice」はそれぞれ複数国で共用利用できるデータプランと、音声通話の選択タブです。例えばComboはこんな感じ。

シンガポール・マレーシア・タイで使えるプランだったり、ヨーロッパ40ヶ国で利用可能なプランだったり・・・という複数国パッケージですね。

Voice側はこう。Zone＝地域？によって通話プランが違う、ということだと思います。

さて国別通信プランの選択に戻りますが、例えば日本を選択すると富士山の画像が出てきます。分かりやすいといえば分かりやすい。

これを見ると日本でのキャリアはソフトバンクなのがわかります。4G LTEと3Gが利用可能。さらに下の方にスクロールすると利用条件が記載されています。データ通信は無制限ですが、1日500MBを超えるデータ通信をすると256kbpsに減速されます。またAPN(モバイル通信のアクセスポイント）は3gnetで自動セットアップながらAndroidだと場合によっては手動入力が必要、とのこと。
（追記：ドコモの接続プランも追加されました。）

「SELECT」をタップすると通信パッケージの選択です。まずは利用期間をプルダウンから選択。24時間、つまり1日だけの利用だと4.20米ドル、460円くらいかかります。その上にちらっと見えるのを見ると9日間で21.99米ドル、1日270円くらいになります。

日数を選択すると次は付加サービスの選択。音声サービスのAIRTALKをつけるかどうかの選択です。よく見ると30分無料通話でも0ドルですが、なんとなくDo not need AIRTALK、通話なしの0ドルを選択しました。
（追記：台湾旅行の際に無料通話付きを買いました。実際にそれで現地でホテルに電話しましたが問題なく使えました。）

最後は利用開始日の指定です。この利用開始日にスマホが現地キャリアの電波を掴んだのを確認してスマホを再起動すると、利用プランでの通信がスタートする、という仕組みです。通信するまでは利用にならないとのことなので、別に0時ピッタリでないと損をする、という話ではないそうです。

すべて選択するとダイアログが出ます。ちょっと分かりづらいのですがAIRSIMの通信プランは「プランを選んでカートに入れる」「カートで決済する」という流れになっているので、メッセージはこういうふうに「Package has been added to Cart」と出ます。

次はいよいよ決済です。画面下部のメニューの中央、カートアイコンをタップすると選択したパッケージが表示されます。日本の24時間4.20米ドルプラン、通話プランなしで5/31からの利用開始、という指定になっています。

「Checkout」をタップすると詳細画面に。ここではもしプロモコードを持っていたら割引などの特典を受けられます。持ってないので「Confirm」をタップ。

これで購入完了。あとは指定した日から購入プランが使える準備はできました。

モバイル通信周りの設定

アプリ上でプランの購入ができても実際に通信ができなければ無意味です。一応念のために設定を見直しましょう。僕が実際AIRSIMで使ったXiaomiのスマホでは最初にこういうAPNがAIRSIMで自動セットされていました。

3gwap、というAPN。けどAIRSIMの日本の利用は3gnet。最初これがわからなくてハマりました。結論から言えば、この自動のAPNは無視して、プロファイル名「3gnet」、アクセスポイントも「3gnet」のAPNを設定すればOK。別途ローミングの設定もローミング不可で大丈夫です。利用する国の設定だけちゃんとチェックして、事前に設定しながらも設定のスクリーンショットを撮っておくとかしていつでも見れるようにしておけば大体安心だと思います。

一応このAIRSIMアプリにAPN設定のマニュアルもあります。トップの右上。

「APN and networks」というのがそれですね。ここには各地でのAPNの設定などが記載されているのですが・・・実はオフラインでは・・・

見れません。意味ねー。なので、利用する国のAPNはスクショで残しておいたほうがいいです。こちらを見ると、日本の場合はソフトバンク接続で、設定は自動、APNが3gnetと記載があります。

ここまでわかれば後は現地で使うだけ。設定が終わっていれば、現地空港で電波を掴む＞再起動する＞つながる、という流れで現地での通信が可能になります。

先程購入した通信プランは「Valid Packages」で確認できます。こちらが利用開始前の状態。Statusが「Wait」になっていますね。指定日の前だとこういう表示になります。

利用開始日になってAPN設定を確認の上再起動、接続して利用開始になるとこういうステータスになります。おれが利用開始してますよ、という状態。

追記：APN設定についての最新記事があります。

AIRSIMのAPNリスト日本語版2019と手動設定必要な国などまとめ。

海外100カ国以上で使えるクラウドSIMのAIRSIM。接続設定で必要なAPNリストの2019年日本語版です。

freesim.tokyo

2019-02-11 18:30

アプリからトップアップ（チャージ）もできる

さて一定量利用しているともっと使う必要が出てくると思いますが、中にチャージされているお金がないと通信プランの追加もままなりません。日本では「チャージ」とか言いますが、海外だと基本「トップアップ」といいます。AIRSIMの場合のトップアップはカードの入金、デポジットの追加です。

ここで追加する金額（米ドル建て）を追加します。基本20ドル刻みっぽいですね。気になる支払い方法ですが、クレジットカード・デビッドカード以外にPayPalが使えるようです。

これは便利ですね。カード系だとトラブルがあると自力解決になりそうですが、PayPalはエスクローの仕組みがちゃんとあるのでその分安心。カード番号も直接預けるわけではないですし。まだトップアップしてないですが、そのときはPayPalにしようと思います。

あとは困ったときのサポートですが、メール以外にもfacebookメッセンジャーも可能とのこと。英語必須ではありますが、最近このfacebookチャットでの海外サービスの対応が超便利だと思ってきているので個人的にはいい感じ。最大の問題は「接続できない」というサポートをなかなか受けづらいことですかねぇ？

接続はちょっと癖がありますが電波を掴んだらスマホ再起動、ほんとそれだけです。（事前に通信プランは買っておくこと）

マニュアルと意訳

アプリの中に接続マニュアルがあったので、一応そのテキストと意訳を掲載しておきます。

Android System Setting

1. Upon arrival of your destination, insert your AIRSIM into the mobile phone (For Dual SIM handset users, please insert AIRSIM into SIM Slot 1 then make sure the data service is assigned to SIM 1).
2. Please switch on the Data Service and Data Roaming in your mobile phone (For Dual SIM handset users, if you have inserted 2 SIM cards, please check and confirm the data roaming function and data service are assigned to AIRSIM).
3. Then wait for about 3 minutes. AIRSIM will search for the network automatically, some notices will be popped up and please click OK to move onto next step.
4. After 3 minutes, the setup should be completed. The phone should display the signal and the Carrier Name. You can use the internet service. If you cannot have access to the internet, please restart the mobile phone.
5. APN will be set automatically in most Asia regions. If you cannot access the internet, please check if the APN is correctly set. Manual APN setup may be required in some destinations such as Europe. Please click the links below for the APN & Carrier list and the setup procedures.
6. If the connection fails, it may be due to the poor coverage at the current location, please restart the mobile phone at other location.
7. When you travel across the border to another country, you may need to restart the mobile phone twice for some mobile phone models.
8. For some mobile phone models, they cannot search and select the network automatically, you need to select the Carrier network manually. Please click the links below for the APN & Carrier list and the setup procedures.
9. If you still cannot use the data service or connect to the 4G network (if applicable), please restart the mobile phone.
10. After using AIRSIM or switch to other SIM card, please remember to turn off data roaming function, in order to avoid unnecessary roaming charges.

そして意訳。

Androidシステムの設定

1. 目的地に到着したら、AIRSIMを携帯電話に挿入します（デュアルSIM対応機種の場合は、SIM Slot 1にAIRSIMを挿入し、データサービスがSIM 1に割り当てられていることを確認してください）。
2. 携帯電話のデータサービスとデータローミングを有効にしてください（デュアルSIMで2枚のSIMカードを挿入している場合は、データローミング機能とデータサービスがAIRSIMに割り当てられていることを確認してください）。
3. 約3分待ってください。 AIRSIMは自動的にネットワークを検索し、いくつかの通知がポップアップし、OKをクリックして次のステップに進みます。
4. 3分後、セットアップは完了します。スマホがの接続先にキャリアやアンテナアイコンが表示されるとインターネットサービスを利用できます。接続ができない場合はスマホを再起動してください。
5. APNはアジアの殆どの地域ではで自動的に設定されます。インターネットにアクセスできない場合はAPNが正しく設定されているかどうかを確認してください。ヨーロッパなど一部の地域では、手動APNの設定が必要な場合があります。APN＆キャリアリストとセットアップ手順については、以下のリンクをクリックしてください。
6. 接続が失敗した場合は、キャリア電波との接続が悪い可能性があります。他の場所でスマホを再起動してください。
7. 国境を越えて旅行する場合、一部のスマホでは再起動が2回必要なことがあります。
8. 一部のスマホでは自動的にネットワークを検索できない場合があり、そのときはAPNを手動で選択する必要があります。 APN＆キャリアリストとセットアップ手順については、以下のリンクをクリックしてください。
9. データサービスを使用できない場合や4Gネットワークに接続している場合は、携帯電話を再起動してください。
10. AIRSIMまたは他のSIMカードに切り替えた後、不必要なローミング料金を避けるため、データローミング機能をオフにしてください。

ん？これを見る限りは端末設定でローミングはオンのようですね。試したときはオフで行けたんですが・・・まぁ一旦はオンにして、オフにしてもつながるようならそのまま使い続ける感じでしょうか？

AIRSIMの各国APN設定

各国や地域のAPN設定はこちらにあります。
APN and Carrier List
日本語で国名つけたものはこちら。